【eスポーツ】プロゲーマーについて具体的に考えてみる【子供の夢】

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 最近子供向け雑誌のアンケートで将来の夢上位にプロゲーマーが入ったり、親にプロゲーマーになることを反対されていた少年がフォートナイトの大会で優勝して2億円獲得したりと話題の多いeスポーツ。
 しかしもしも自分の子供や親戚の子供がなりたいと言っていたとして・・・大人としては素直に応援できない職業であることは間違いありません。
 とはいえ子供の夢をばっさり否定することも教育上よくないとも言えます。
 となると、プロゲーマーの抱えている現実を子供と一緒に掘り下げていき、本当に目指したいモノなのか?それとも厳しすぎて諦めてしまう程度のモノなのかを検討するのがいいのかな?と感じます。
 というわけで私の調べられる範囲でプロゲーマーについて考えてみようと思います。

ロゲーマーとは

 まず、プロゲーマーの定義を考えてみます。
 プロというからにはお金を稼がなければなりません。つまり、ゲームをすることが何らかの形で収入に繋がっていればプロゲーマーと言えるでしょう。
 では、ゲーム収入にはどのようなものが考えられるでしょう?

1.大会の賞金、およびスポンサー収入

2.雑誌の記事の執筆など

3.TV,ネットなどの番組出演

4.出版物による印税

5.動画配信による広告収入

 他にもあるかもしれませんが上記5つが基本になるでしょう。これらのことからどのような能力が必要になってくるかを考察していこうかと思います。

大会の参加、スポンサーの獲得

 大前提として大会に参加するには高いゲームスキルが要求されます。そして、ゲームの好き嫌いは言ってられません。時には嫌いなゲームを極めなければいけないこともあります。
 なぜなら大会が開催される、それは人気がある作品だからです。そして人気のある作品であればあるほど賞金は高額になりやすく、また強力なスポンサーの獲得につながる可能性も高くなります。また、すでにスポンサーがついているなら嫌いなゲームにそのスポンサーが協賛しており、大会に参加してほしいと要求してくるかもしれません。
 もちろん、断ることもできるでしょう。しかし圧倒的王者でもない限りはスポンサーは離れてしまうでしょう。プロゲーマーはただの競技者ではなく、作品や製品の広告塔でもあるのです。沢山の大会に出場して会社の名前、コントローラーやマウスやキードードなどを宣伝してもらうために企業はプロと契約し機材を提供するのです。これは野球やサッカー、テニスなどのプロスポーツでも同じです。


 例えばテニスの錦織圭選手を見てもらうといろんな広告が目につきます。
 彼はパッと見てわかるだけでもユニクロ、日清、LIXIL、ウィルソン、ナイキと契約していることがわかります。さらに超高級車メーカーのジャガーとも契約しています。そして短い期間日本に帰って来ている時はさらにいろんな企業のCMを撮影しています。
 そして彼の収入の95%は賞金ではなくスポンサーからの収入です。
 ちなみにテニスをあんまり知らない人は錦織負けてばっかりじゃん、と言うかもしれませんが彼は結構勝ってて獲得賞金でも今年のランキングで現在9位ですし、勝ってばっかりのジョコビッチ選手やフェデラー選手も獲得賞金よりスポンサー収入の方が多いです。
 また、世界ランキングが1500位くらいまで設定されている競技であるにもかかわらず、プロとして大会出場だけで生計を立てていけるのは100位以内に入ってなんとか・・・なんてレベルです。それもスポンサーに支えられているからなんとかなっているという状況です。


 世界的に見るとサッカーに匹敵する人気スポーツのテニスですらこんな状況です。スポンサー、本当に大事です。

 また、もう一つ重要なものがあります。それは英語力です。
 実は日本では法律的な問題で高額の賞金を出すことが難しいという事情があります。そのため、他の国の大会に出場することも多くなります。そうなると英語が重要になってきます。
 プロゲーマーには基本的に通訳を雇う余裕はありません。ですが大会にはルールがありますし、勝ち進めばインタビューもされます。そうなると英語ができないと話にならないのです。
 また、スポンサーの話に戻りますがゲーミング製品の会社は台湾やアメリカの企業が多いです。つまり日本よりも世界全体にアピールしやすい海外の大会に参加したほうが良いスポンサーがつくでしょう。

雑誌の記事の執筆など

 これは有名になってからの話になりそうですが、依頼を受けて記事を書けば原稿料が貰えるでしょう。そうなると・・・国語力・文章力が必要になりますね。
 まあ、これに関しては収入面でみると正直パッとしないかもしれません。ですが、有名なゲーム雑誌なら自分の名前を売るチャンスともいえるので無視はできないでしょう。

テレビ、ネットなどの番組出演

 テレビについては現状ではあまりメリットは無さそうな気がします。一般のマスコミはゲーム、アニメ、漫画などの文化をクールジャパンと言いながら内心ははるか下に見ているので雑な扱いしかしてもらえないでしょう。下手をするとマイナスイメージを世間に植えつけられるかもしれません。
 しかし、ネット配信の番組は別です。ギャラは少ないかもしれませんが基本的にその作品に興味のある人しか対象にしていない番組作りなので自身がやらかさなければイメージアップを狙えますし、キャラがウケれば次回以降も呼ばれるようになるかもしれません。そのためにも会話の面白さやコミュニケーション能力は高めておきたいところです。これ地味に「プロゲーマーになりたい」って人たちが苦手なケースが多い能力ですね・・・。

出版物による印税

 有名になれば自伝、みたいなものを出版して印税を得る!ということもできます。有名どころだとウメハラ氏が著.梅原大吾として何冊か出版していますね。
 ただ、小説や漫画みたいにベストセラーになるとは考えにくいのでそこまで大きな収入にはならないかもしれません。また、これについてもまたまた国語力・文章力が必要になりますね。 

動画配信による広告収入

 上手くいけば一番稼げるかもしれませんが、失敗するとまったく収入にならない可能性もあります。それが動画配信です。ストリーマーとも呼ばれますね。大会に参加していなくても動画配信による収入があればそれだけでプロゲーマーと言えるのかもしれません(プロストリーマーとかYouTuberと扱われる可能性もありますが・・・)

 YouTuber達と同じ土俵で戦うことになるという難しさはありますが、プロゲーマーにはゲームスキルという武器があります。
 有名プロゲーマーがYouTubeで格闘ゲームのコンボ解説動画なんかを配信すれば視聴者はかなり稼げるでしょう。
 また、最近はオンライン対戦なんかも発達しているので挑戦者求む!みたいなこともできますね。
 あとはゲーム関連製品の宣伝動画なんかも需要があるでしょう。企業の方から商品提供するから配信して宣伝ほしいと依頼してくるケースもあります。

 動画配信に必要になるのはそこそこの性能のPC、カメラやマイクなどの機材、PCの知識、動画編集技術、トーク力あたりでしょうか。


 PCの知識と動画編集技術については絡み合ってくるので結構厄介です。動画編集ソフトを扱うにはある程度PCの知識が必要になる場合が多いです。また、カメラやマイクの設定もPCをあまり使わない人には非常に難解なものになるでしょう。しかし、PC版がメインのゲームも最近は多いのでこのあたりの知識は身に付けておきたいところです。大会中に機材トラブルがあった場合自分で対処する必要がある場合も結構ありえるので絶対に必要なスキルです。


 トーク力については人によって方向性が違うのでなんとも言えませんね。人柄の良さを売りにするか、反対に荒っぽい感じを演出するか・・・ただ、動画サイトの削除対象になる可能性があるのであまり暴力的な発言はしないほうがいいでしょう。

 ここまで動画配信には大きなデメリットは無さそうに見えますが、結構厄介な問題があります。それは動画サイトの広告収入の基準です。
 基本的に動画を投稿もしくは配信する際に広告を付けることで収入を得るわけですが、ゲームの場合、販売元が配信を認めていない場合収入を得られないことがあります。他の人の動画を転用したりした場合、文字だけの動画や絵が切り替わるだけの紙芝居動画の場合なども同様です。
 また、2次利用を許可されていない楽曲を使用すると動画が削除対象になり、収入も得られません。
 シナリオのネタバレが含まれる動画なども権利者から削除依頼が来る可能性が高いです。
 そのため、事前にしっかり調べておかないと動画を作成した時間が損になってしまうという事態もありえるのです。

以上の事からゲーマーに必要なスキルは

・好き嫌いをしない高いゲームスキル
・インタビューの受け答えが出来るくらいの英語力
・雑誌や自分での出版の為の国語力・文章力
・番組を盛り上げるトーク力、コミュニケーション能力
・PC及び周辺機器を扱うスキル
・動画編集などのソフトウェアの扱い、及び編集センス
・スポンサーを離さないカリスマ性or宣伝力

 といったところでしょうか。英語と国語とコミュ力で挫折する人が続出しそうな気がしますね。PCの扱いとかは案外ゲームの為ならさらっと覚えちゃいそうな気がします。私は趣味程度のレベルですがそれでもPCでのゲーム設定とか録画環境整えたりとか編集したりとかヘタクソなりにできるようになりましたし・・・
 カリスマ性は普通の人は持ってないのでスポンサーに対しては自分の魅力をひたすらアピールしまくるしかないでしょうね・・・

で、肝心の収入は?

 さて、ここまで長々と書きましたがプロゲーマーの収入はどれくらいになるのか、っていうのがなんだかんだでみんなが一番知りたい情報なのではないかと思います。
 具体的な金額はあまりでてきませんが平均年収は500万くらい、国際チームに所属すれば1800万クラス(ただし遠征費用などは自分持ち、日本人選手はほぼ見かけない)ウメハラ氏クラスでも年収5000万はいかない、国内でゲームだけで生計を立てていけている人は10人もいない、という意見が多くみられます。
 そして、20代の間しかまともに活動できない、とも言われています。
 500万と聞くとそこそこ稼げているように見えますが、非常に不安定であり、また20代のうちしか稼げないということを考えるとはっきり言ってキツイです。

 グラゼニという野球漫画では、その作品の最初の方で「年俸1800万では全然足りない」というネタが出てきます。一見すると一般人にはお目にかかれない高収入に見えますがプロ野球選手は30歳を過ぎるといつ引退してもおかしくない職業なためこのような話が出てきます。プロゲーマーにも同じことが言えます。

 とはいえ野球選手やサッカー選手なら引退後も指導者になったりチームの職員になったり、人気のある選手なら芸能人になったりなどの選択肢もあります。いざとなれば一般企業もスポーツマンというだけでどこかしら受け入れてくれます。
 しかしプロゲーマーには現状引退後の受け入れ先はありません。自分で探すしかありません。しかしゲームばっかりだと資格もありません。そして日本企業はプロ活動していた期間を空白期間と同じ扱いをするかもしれません。ゲームはそれくらい世間から偏見を持たれています。下手をするとゲーマーのことを犯罪者予備軍と思っている人すらいます。日本特有の偏見というわけではなく、海外でも同様の偏見は存在しています。資格もない長期空白期間持ちのまともな職歴もない30代・・・これでは採用されませんね・・・
 生涯年収が平均5000万程度なのに引退後の潰しが効かない・・・ごくごく一部の天才という例外を除けばこれがプロゲーマーの現実です。

ゲーマー活動は別の仕事をこなしながらが無難

 ゲームの大会は下部大会をしっかり勝ち抜けば別にプロでなくても参加することができます。そう考えると非常に大変ではありますが何か他の仕事をこなしながらするのが無難であると考えられます。ゲームの練習時間は削られますが確実な収入を得つつ活動ができるのは大きいでしょう。そもそも国内の有名ゲーマーのほとんどはゲーム以外の別の仕事をしています。


 また、ゲーマーになるために身に付けた英語力、国語力、トーク力、コミュニケーション能力、PC知識などは空白期間さえなければ非常に大きな武器であり新卒なら仕事に困る可能性は低いでしょう。特に英語力は就職の幅が広がります。日本人は英語出来ない人がほとんどなので、とてつもなく強力な武器と言えます。

 

 普段は優秀な社員、時々ゲームの大会に参加して活躍してくる。みたいな人が増えればゲーマーの立場も変わってくるかもしれません。
 実際、日本の女子ソフト代表チームはそうやって他の仕事をしながら大会で活躍して今の立場を獲得しました。
 こんな風にいいイメージがつけば日本のゲームに関係ない企業もスポンサーを名乗り出るようになるかもしれません。
 そうやってイメージが良くなっていけばもしかすると将来的には子供がプロゲーマーになりたい!と言っても応援できる世の中になる可能性はあるのかもしれませんね。
 
 

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