ヒアリは定着していない(2020年2月現在)

 気まぐれ投稿、何か月ぶりかな?
 今回はいつもと趣を変えてみます。

 2020年2月25日現在ヒアリは日本には定着していません。
 しかしながらTwitterなどには「マスコミが報道しなくなったのは完全に定着したから」とか「コロナウィルスはヒアリのように拡散する」とかすでにヒアリが定着してしまったというような嘘や憶測の発言が沢山あります。
 とあるヒアリ専門のTwitterアカウントが是正して回っていますが、それでも自分の否を認めない人も・・・
 たしかに、どこかに潜んでいる可能性はゼロではないかもしれません。しかし現時点では確認された場所はコンテナなどが運び込まれる港のみで、一般人が自分たちの生活圏内で発見したという情報はゼロです。港に出没したヒアリも全て駆除済みです。
 にも関わらずなぜヒアリが定着していると思い込んでいる人がこんなに多いのか・・・
 そういうわけで啓蒙も兼ねて、今回は「ヒアリ」について取り扱って行きたいと思います。

・ヒアリとは(参考資料:ウィキペディア

 ヒアリとは南米原産のアリの一種です。世界各国で猛威を振るう生物で、世界の侵略的外来種ワースト100にも選定されています。
 なお、本来なら画像を貼った方がいいのかもしれませんが、アリの同定は非常に難しく、素人が下手なことをすると間違った情報を世間に広めてしまうかもしれないので今回は貼りません。
 気になる方は環境省の特設ページやTwitterアカウントのヒアリ警察さん( @_Solenopsis )の投稿などをご参照ください。 
 強靭な毒針と毒を持っていますが、実はヒアリに刺されて死ぬ確率はかなり低く、精々0.01%程度と言われています。これは長い人生の中で飛行機事故で命を落とすのと同じくらいの低確率です。ぶっちゃけスズメバチとかの方がはるかに危険です。ちなみにアリとハチは非常に近い種だったりします。
 ハチに刺された場合と同様、体質などによりアナフィラキシーショックというアレルギー症状で命を落とすこともまれにありますが、特にアレルギーのない健康な人なら軽い痛みと痒み程度で済む場合もあります。
 生態としては亜熱帯から温暖帯に生息し、草地などの開けた土地を好みます。
また、巣穴は土を盛り上げた蟻塚を形成しており目立ちます。
 なお、ウィキペディアに「日本には土で盛り上げた蟻塚を形成する種はいない」との記述がありますが、これは誤りで北海道から本州中部の山間部に生息する「エゾアカヤマアリ」という種が比較的大きな蟻塚を形成します。
 食性は一般的な日本の蟻と同様に、主に虫や小動物の死骸を食べます。
 一つの巣の中に複数の女王アリがいるケースがあったり、大雨のとき、交代で自分たちの体をイカダにしてしのぐなど、面白い習性もあります。

・世界各国への影響

 南米原産のヒアリですが、世界各国様々な地域へ分布を広げています。
現在ではアメリカ、中国、オーストラリアなどへの定着が確認されています。
 また、ニュージーランドは一度定着しましたが、完全駆除に成功しました。ヒアリ根絶に成功したのは全世界でニュージーランドだけです。
 ヒアリが定着すると、人やペットへの健康被害、電気設備インフラ被害、農業被害、産業への影響、また行楽シーズンなどに地面にシートを引いて宴会を楽しむなどが難しくなってしまいます。
 そしてもっとも危惧すべきなのは生態系への影響です。今までにもアメリカザリガニ、ウシガエル、ミシシッピーアカミミガメ、アライグマ等、様々な生物が生態系に悪影響を与えてきたように、もしもヒアリが日本に定着してしまえば最悪の場合、その影響で絶滅してしまう種が出てきてしまうかもしれません。
 最近では中国との貿易が多い日本でも、コンテナなどに付着して侵入してくることがあります。
 なお、繰り返しますが今のところは港で発見次第駆除されており、市街地などへの侵入、定着は確認されておりません。

・日本で現在発生している問題

 日本では国と関係機関の連携により、国内への定着は現時点では阻止できています。しかしながら、定着していないにも関わらず様々な問題が発生しています。

 一つ目は冒頭でも触れた、誤った情報の流布です。Twitter、インスタグラム、FacebookなどのSNSの発達した現在では、個人が様々な情報を発信することが出来る反面、インフルエンサーと呼ばれる強い発信力を持った人が発言することで謝った情報だとしても大きく広まってしまう危険性があります。
 
 そして二つ目の問題は誤認駆除です。一つ目の誤った情報に踊らされた人が何の害もない在来種を誤って駆除してしまうケースです。
 過剰に恐怖心を煽られた状態で普通のアリを見た人が「ヒアリかも?」と思い駆除してしまうことがあります。Twitter等では駆除したアリの画像を投稿して呟いている人もしばしば見られます。
 ちなみにヒアリ警察さんによると現時点ではその手のツイートにおいて、国内で撮影されたと思われるヒアリの画像は存在しないそうです。(アメリカで撮影された画像などは存在します)

 参考動画:【ゆっくり解説】ヒアリはホントに危険生物?ヒアリ警察氏に聞いてみた!

 1匹だけならともかく現在では巣丸ごと潰してしまうような製品も存在します。それを全国各地色々な場所で行うと当然在来種の数が減ってしまいます。
 たかがアリが減ったくらいで……そう思う方もいるかもしれませんが、アリを餌にしていた生物はどうなるでしょう?当然餌が少なくなり数を減らします。そして更に、その生物を餌にしていた生物も数を減らします。理科の授業で習った記憶のある方もいるでしょう。食物連鎖です、その連鎖が崩壊します。最終的に回りまわって魚などの人間の食べるものが減ってしまうかもしれません。
 また、アリがいなくなったことで今までキレイに食べられていた虫の死骸が放置されることになります。代わりに鳥などがその死骸を食べて数を増やせば糞害や騒音、農作物への悪影響など様々なことが想像できます。
 たかがアリ、されどアリ。軽く見てはいけません。

・なぜこのような問題が起きているのか

 ヒアリが定着したというニュースは存在していないにも関わらず、何故このような問題が発生してしまうのか。これには様々な要因が考えられます。

 一つ目は単純に虫を苦手とする人が多いから。「気持ち悪い」「噛みつきそう」「鬱陶しい」「毒持ってそう」などなど、基本的に嫌われ者である虫は特に害がなくても人に殺されることが多いです。そんな虫に危険性が高い、という情報が追加されれば歯止めが効かなくなるのは当然と言えます。

 二つ目はマスコミの報道の仕方です。基本的にマスコミはインパクトのある報道を好みます。彼らにとって必要なのは視聴率と企業や政党への忖度です。
 視聴率を稼げない情報、スポンサーに不利益になる情報、つながりのある政党が不利になる情報・・・これらは基本的に報道しません。
 ジャーナリストとしてそれはどうなんだ?という意見は置いておいて、これらの事からヒアリについての報道はどうなるでしょうか?
 まず、視聴率から考えていきましょう。「ヒアリが見つかった!」「沢山いた!」「逃げ出した可能性がある!(逃げ出したとは言ってない)」「刺されると死ぬ可能性がある!(超低確率で)」 などなど言われれば不安になり、ついつい続報を追いかけてしまうでしょう。視聴率が稼げます。
 逆に、「完全に駆除できました」と報道するとどうなるでしょう?当然視聴者は満足して続報を求めなくなります。テレビ局などにとっては美味しくないです。だから基本的に報道しません。報道しなければ嘘をついたことにはなりません。ズルいですね。
 次に企業への忖度です。スポンサー企業に殺虫剤メーカーがいるのならヒアリの不安を煽っておけば……つまりそういうことです。
 最後に政治関係です。これ世界的には結構異常なことなんですが、日本のマスコミはどこかしらの政党とつながりがあります。ですので、政府のヒアリ対策が甘いというイメージを残しておけば敵対勢力の批判材料として使えます。これに関しては憶測も混じっていますが、マスコミに”推し”の政党があるのは事実です。

 三つ目はセアカゴケグモなどの実際に定着してしまった事例とごちゃごちゃになっていたり、もしくはそれらの事実から国そのものに対して不信感を抱いているためヒアリがいないと言われても信用できないケースです。
 こればっかりは個人的な知識認識のレベルや考え方の問題になってくるので、どうにもできない部分もありますが、その妄想や間違った知識を他の人に広めようとするのは止めて欲しいところではあります。
 しかし人間には承認欲求、同調を求める性質などがあり、そういった情報を大げさにして話したがる人が多いです。
 そしてそんな人がSNSというツールを手に入れてしまえば……

 四つ目は毒があるから。毒を持っているって言われると怖いですからね。
 ですが、意外と国内でも虫や小動物の中には身を守るために毒を持ってる種は身近に存在しています。ムカデ、カメムシ、毛虫(種による)、アマガエル、ヒキガエル、マムシ、ヤマカガシ、ミツバチ、スズメバチなどなど・・・他にもたくさんいます。ちなみに在来種のアリやすでに定着した外来種のアリでも毒持ちの種は存在します。
 海だとカツオノエボシなどの一部クラゲなんかも危険ですね。イモガイとかいう即死級の毒を持った超危険生物も存在します。
 そんな奴らと比べたらヒアリの毒なんて正直大したこと無かったりします。安全というわけではありませんが、過剰に警戒して無関係なアリを何もしていないのに殺すのは良くないです。

・まとめ

  結論として、2020年2月25日現在、ヒアリは日本に定着していません。
 「見つかってないだけ」「政府が隠してる」とか言い始めるとキリがないので触れません。陰謀論は他所でやってください。
 いないことを証明しろと言われてもそれは【悪魔の証明】というやつです。海外からの物資の中以外からは確認されていないので定着はしていないこととする、としか言えません。
 ですが、マスコミやネットのインフルエンサーに踊らされて、間違った情報や知識で日本に昔から生息している無害な在来種に危害を加えるのはやめてあげてください。
 家に侵入してきたアリを駆除するのは仕方のないことですが、外で人と関わらずに生活しているアリまで始末する必要はありません。
 何事においてもそうですが、声の大きい人たちに惑わされずに、すぐに鵜呑みにしたり同調したりせずに、考えて行動することが大事ではないかと思います。
 スマホで写真撮影して何にも考えずにTwitterに「これヒアリじゃね?」なんて投稿するのは止めましょう。一呼吸おいて、環境省の特設ページの画像と比較するなりしてみましょう。せっかくスマホを持っているんですから。ほら、その写真、拡大できますよ(笑)じっくり比べてみましょう。
 
  ちなみに、今回の記事に度々登場しているヒアリ警察さんはTwitterで「このアリなんだろう?」なリプを写真付きで送ると「○○アリです」と回答してくれます。疑問に思った場合は、まずは自分で調べてみて、それでもわからない場合はリプを送ってみましょう。(必ず、まずは自分で調べてください。ヒアリ警察さんも暇ではありません)
 厳しい人ですが、こちらが失礼なことをしなければ丁寧に回答してくれますし、もし希少種のアリだったりすると、いつもの淡々としたイメージが崩れて大興奮することもあります(笑)
 その場合、もしかすると歴史的な発見に関わることができるかもしれませんね。
 また、今回の記事はヒアリ警察さんに了承を得ていない、勝手に書いた記事なので、もし怒られたら削除するかもしれません。ご了承ください。

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